今回の登場人物
直木賞受賞作家の島本理生さんと、人気ミステリ作家の佐藤友哉さん。人気小説家夫妻として、文学ファンから暖かく見守られているお二人ですが、実は一度離婚をした後に、再び結婚をして今に至っているそうです。繊細な恋愛物語が大評判の島本さんと、奇想天外な発想の物語が人気な佐藤さん。一見、作風も正反対のお二人ですが、一体どのようにして出会い、また、再び一緒になったのでしょうか。
二人の生い立ち
1983年、 東京都板橋区で生まれた島本理生さん。2001年に『シルエット』が第44回群像新人文学賞の優秀作に選ばれて作家デビューとなりました。そして、その二年後の2003年には『リトル・バイ・リトル』が芥川賞の候補に選ばれます。この時には、なんと女子高生だった島本さん。女子高生芥川賞候補として、世間を驚かせました。それからは、女性の感情を美しい文章で緻密に描き出す小説家として、大人気になりました。2018年には、直木賞を受賞しています。
一方、佐藤友哉さんは、1980年に北海道千歳市で生まれました。高校を卒業した後、フリーターを経て、2001年に『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、作家デビューします。2007年には、『1000の小説とバックベアード』で三島由紀夫賞を受賞し、人気作家として活躍しています。
同年代で、同じ時期に作家デビューとなったお二人は、どのように出会い、夫婦となったのでしょうか。
出逢いから破局に至るまで
お二人が出会ったきっかけは、合コンだったそうです。それも、普通の合コンではなく、作家の人のみが集まる、作家合コンとのこと。人気小説家の乙一さんも参加していたそうですから、錚々たるメンバーでの開催ですね。
その合コンの帰り道で、家の方面が同じだったことで意気投合し、飲み会を繰り返して仲良くなったお二人は交際を開始しました。そして、2006年に一度目の結婚をします。
最初の結婚は、プロポーズがなく、お二人が他の作家さん達と何人かで食事をしている最中に「僕たち結婚することになったんです」と佐藤さんが報告したことから始まりました。それを聞いた他の作家さんたちはお二人を祝福したそうですが、島本さんは結婚の話をした記憶がなく、キョトンとしてしまったとテレビ番組で語っています。曖昧な始まり方をしてしまったのがよくなかったのか、お二人は一年と少しで離婚をすることになりました。
Photo:Aung Soe Min